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益榎でいちゃいちゃ。うなじにちゅうとかしてたり榎さんちょっと喘いでますご注意ください。


「あれ、虫さされですか」

珍しく応接ソファに腰掛けて煙草を喫んでいた榎木津さんに、僕は背後から声をかけた。
柔らかくて色素の薄い髪の隙間から覗くうなじに、ぷつんと腫れる皮膚を見つけて、人差し指でツイ、となぞりながら。

「あっ。馬鹿、触るな」

と、慌てた声の咎める色を滲ませた感嘆詞の後に手を払われ、首を傾げていると斜め後ろからでも見てとれる、口を尖らせて不機嫌そうな榎木津さん。

「…折角忘れかけていたのに、また痒くなってきたじゃないか。ウウン、どうしてくれる」

此方を振り向きもしないまま目を眇めながら指先が首筋をがりがりと引っ掻いている。その躊躇いない爪が白い肌に赤い痕を幾筋もつけるのを見て僕の方が慌ててしまう。

「ちょっと榎木津さん、そんなに力任せに掻いちゃ傷になりますよ」
「煩いなァ、お前のせいだろう。キンカンをきらしてるんだ、あぁ痒い」

云う間にも首筋を掻く手を休めない榎木津さんに、思わずその手を取って止めさせる。文句を言われる前に腰を落とし、跪いて背凭れを挟んで彼のうなじに顔を近づけ、振り向きかけた首を開いた片手で顎を捉える事で遮った。 

「痒い所は噛むと楽になりますよ、エェ責任もって僕がやりますとも」
「何を気持ちの悪、…」

柔らかい髪に半ば顔を埋める様な形で頸に噛みつき、舌で探ったふくりとした痕に軽く歯を立てる。すると文句を並べていた声が尻すぼみに消え、心なしか肩の力が抜けたように思えた。

「…どうです、悪かないでしょう」
「……もっと、強く」

一旦口を離して耳元で問えば、不機嫌そうな声で誤魔化しながらも言葉だけ聞くとくらりと目眩うようなおねだりをされてしまって、こちらの自制心と云うものも危うくなってくる。……などと嘯いてはみても、本当はうなじを見下ろしてしまったその瞬間から欲情していたのだけれど。
ああ本当に、振り向かせなくて良かった。きっと今僕を『視て』しまっていたなら目の前で御馳走を無防備に晒している彼の手で直々にここを叩きだされている所だっただろう。

「…フ、」

場所を確認するふりをして舌先でなぞればブル、と身を震わせて息を詰める。敏感な反応と云うよりは、痒い箇所をやわらかく刺激されて意識する疼きと焦れったさに身震いしたのだろう。気づいていながらしつこく舌で往復する。

「マ、スヤマ、痒い、早く」
「ンン、ちょっと待って下さいよ、何処なのか分からなくなっちゃって」

とぼけた答えに対して疑う事もせず早く、と囁く榎木津さんは何だか、情事の最中の様に儚そうである。狙っていたとはいえ思った以上の成果に心の中で拳を固めながら、唇を押しつけて強く其処を吸い上げた。

「ひゃ、…ッぁ」

押さえていた顎がヒクリと跳ねて、下がってきた後頭部に僕の顔は押し返されて盛大なリップノイズと共に唇が離れる。

「榎木津さん、暴れちゃ駄目ですよゥ」
「だって、お前、いま」
「なんです、痒いんでしょう?いっそのこと痒みの元、吸い出しちゃった方が早いじゃないですか」

適当な事を云いながらもう一度顎に指を掛け、少し下を向かせる。大人しく従う彼はきっと気付いていないのだろうが、彼は刺激にとことん弱い。すぐに薬品にまけるし痛みや痒みなんかにも結構弱いのだが、何より快感には大層弱い。
按摩や情事の前戯では正にされるがまま。気付いていないのだろうけれど、それはもう凄まじい色香を放っているのがこの麗人の性質の様だった。

「今度は大人しくしてて下さいよ」
「…、……ぅ」

舌先で撫でながら念を押せば、肩越しに見える手がズボンをきゅう、と掴んでいて、酷く興奮してしまう。
顎を捕まえていた指を気づかれないようにそろそろと下ろしながら、再び首筋に唇を押し付ける。今度はじらさず吸ってやればあえかな吐息が漏れて筋肉が弛緩するのを口付けた場所から感じた。

「…榎木津さん、雰囲気出さないで下さいよ。若造には刺激が強すぎますって」

蚊にくわれた場所からややずれて歯を立てれば僅かに揺れる体に合わせて栗色の柔らかく波打つ髪もふわりと揺れて、太陽と煙草の匂いを感じた。
背もたれに邪魔され少し動きづらいものの、第一釦を緩めて隙間から指を差し込み鎖骨を辿る。

「ばか、勝手に発情する…な」
「お互い様でしょうに。ね、榎木津さん」

場所と体勢の不便さに顔を離して立ち上がると鎖骨から喉仏を撫でて顎を引き上げ、ようやくその大きくキラキラと潤む硝子玉のような瞳を覗き込むことができた。前髪がかからないぎりぎりまで顔を近づけて薄く笑いかける。

「貴方の寝室に行きましょう、思う存分噛んであげるし、吸ってあげるから」

髪に隠れてしまっても、もう位置を覚えてしまっているその箇所にわざと爪で擽る様に円を描くと再び淡い刺激に疼きが呼び起こされて榎木津さんの目が堪え切れないように細められる。いらない、馬鹿。とつれない言葉で拒否をされてご自身の指を其処へ伸ばそうとするのを、顎から手を離して掴んでしまう。

「や、マスヤマッ。痒いかゆい馬鹿!」
「だァから、僕がしてあげますって。厭ならこのまま収まるまで我慢です」

勿論痒みが収まるまでこのまま付き合うつもりは毛頭なく、反対側の腕も捕まえてしまうと腰をもう一度落としてうなじにふうと息を吹きかければまた一段と解けた吐息が聞こえた。そろそろ終わりと見計らって耳へと顔をずらして耳朶の後ろを舌で辿りながら密事めいた調子で囁く。

「気持ち良かったんでしょう、貴方の寝台の上でなら、満足するまでしっかりご奉仕しますよ」

既に僕の中での『奉仕』の内容は大幅にずれていて、勿論それは榎木津さん自身にも伝わっている事だろう。それなのに未だ僕に腕を掴まれたままと云う事はとっくに彼は陥落しているという事で、性的な意味を含んだ僕の奉仕に少なからず彼も欲情してしまったと、つまりはそう云う事なのだ。

「…変態」
「やあ、新しい褒め言葉ですね」









 


半端なところですがぶったぎってみました。ここで終わりでも問題ない感じです。
しかし個人的なテンションの事情で続きの交配シーンを書きたいです。なので後編エロ編続きます。

榎益よりもBLです益榎。榎さんがエロいのがいけない。益田が状設定嗜好とかいう素敵フェチを持っているのがいけない。
益田は服を着せたままとか、下だけ脱がせてとか、自分で触らせてとか、榎さんのそれはもう様々な状況を想像してはマスかいてると思います、益田だけに(下品)
今回は虫刺されという状況設定に興奮してます、酷くマニアックですが家の攻益さんはそんなんです。




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